研究課題/領域番号 |
61570636
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
石原 敬夫 東京大学, 医学部, 助手 (80010263)
|
研究分担者 |
杉山 政則 東京大学, 医学部, 助手 (20192825)
永井 秀雄 東京大学, 医学部, 助手 (00164385)
|
キーワード | 膵管胆管合流異常 / 胆道拡張症 / セクレチン / セルレイン / 膵外分泌亢進 / 胆嚢収縮亢進 / Oddi筋収縮亢進 |
研究概要 |
ウサギの膵管を細管とTチューブにより吻合し、膵管胆管合流異常を作成した。その後、セクレチン1U/kgおよび(または)セルレイン100ng/kgを単独または併用で筋肉内に連日注射した。2週後頃より胆管が拡張し始め、2〜4ケ月で最大の拡張を来した。総胆管径は正常が3mmなのに対し、セクレチン・セルレイン併用群では平均20.5mmと著明に拡張した。なおセクレチン単独刺激群では平均胆管径14.5mm、膵管胆管接合のみで非刺激群では平均11.9mmであった。胆道拡張は肝外胆管全長に及び、胆管は屈曲蛇行走行を呈し、Tチューブ挿入部より十二指腸側の総胆管にも著明な拡張が認められた。胆嚢、胆内胆量の拡張は軽度であった。これら所見は先天性胆道拡張症I型に類似していた。全経過を通じ、黄疸は出政せず、各種胆機能検査値、血清アミラーゼ値も正常範囲内にあった。拡張胆管内には各種膵酵素が高濃度で認められ、殆どがチモーゲン状態で、活性化は認められなかった。以上から膵液分泌亢進およびDddi筋収縮亢進は、膵管胆管合流異常において、胆道拡張を誘発増強させる因子と考えられた。 拡張胆管の上皮は殆ど剥離脱落していた。拡張胆管内に発症物質であるMNNG200mg/lを注入してみたが、観察期間が短いために、まだ明らかな発癌は認められていない。
|