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1986 年度 実績報告書

静脈移植用人工血管の開発

研究課題

研究課題/領域番号 61570668
研究機関京都大学

研究代表者

田村 康一  京大, 結核胸部疾患研究所, 助手 (50144390)

研究分担者 清水 慶彦  京都大学, 医用高分子研究センター, 教授 (00027111)
キーワード静脈移植用人工血管 / ヘパリン化PVA-Si【O_2】 / Polyurethaneチューブ
研究概要

1.60年度におこなった実験から 1).Dacron製の人工血管ではCrimpingの谷に凝血塊が早期に生じるため、静脈系移植材料としては適していない。 2).中期開存(2週以上)2例を得たが、3週目に摘出すると、内腔は厚い新生内膜に被われ狭窄しており、さらに長期間の開存の期待は薄いものと考えられた。 2.61年度の新シリーズとして以下の材料で実験をおこなった。 1).内径8〜10mmのEPTFE人工血管を、60年度のものに比べ2倍の浸漬時間をかけてヘパリン化PVA・Si【O_2】を塗布し実験に用いた。 2).優れた抗血栓性を有するPolyurethane製のチューブ(内径8mm)を作製し留置実験をおこなった。 3).雑種成犬(約10Kg)を右開胸し上大静脈を露出して実験した。 3.上大静脈への留置実験-未処理のEPTFEでは、時間の経過と共に赤色血栓の厚みとフィブリン網の量は増加するのに対し、ヘパリン化PVA・Si【O_2】処理のものでは、薄い赤色血栓が付着するものの、1時間留置したものでも厚みは増加しなかった。Polyurethane製のチューブでは、走査電顕でも血液の成分の付着は軽微であった。 4.上大静脈への置換実験-7-O polyplopylene糸を使用-未処理のEPTFE群では、10例全例が1週間以内に閉塞した。ヘパリン化PVA・Si【O_2】処理EPTFE群(10例)では、1日目に2例,1週間目までにさらに3例が閉塞した。置換後1週間目の摘出標本(2例)では吻合部にはやや厚めの白色血栓がみられたが、中央の内腔表面は薄いフィブリン膜で被われていた。残り3例は4週目に閉塞をしていた。 5.長期開存例を期待して置換実験をおこなってきたが、人工血管内腔をヘパリン化PVA・Si【O_2】で処理したものでは、短期間では優位であるが、より長期となると閉塞した。さらに吻合技術の面でも工夫を加えて実験を継続すると共に、より高度の抗血栓性を有するPolyurethane製のチューブについても置換実験を検討中であり、今後抗血栓性を有する新しい材料についても基礎的に研究をおこなっている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Koichi Tamura: BIOMATERIALS,MEDICAL DEVICES AND ARTIFICIAL ORGANS. 13. 133-152 (1985,1986)

  • [文献書誌] 田村康一: 人工臓器. 16. (1987)

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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