研究概要 |
1.頭蓋内原発胚細胞腫23例(胚腫17例,胚腫以外の胚細胞腫6例)、松果体原発の胚細胞腫以外の腫瘍6例につき胎盤アルカリフォスファターゼ(以下PLAP)に関しての免疫組織化学的検索を行った。その結果PLAPは頭蓋内原発胚腫において特異的に高頻度に(76.5%)その存在が認められた。 2.頭蓋内原発胚腫におけるPLAPの局在を光顕的及び電顕的免疫組織化学的手法を用いて観察するに、PLAPは胚腫の形質膜に限局してその存在が認められた。又一部では核膜にもその存在が認められた。 3.頭蓋内原発胚腫と睾丸胚腫のPLAP形質発現の比較を目的として免液組織化学的検索を行った。その結果両腫瘍ともPLAP形質発現は全く類似しており、生物学的、病理組織学的に両者が同一腫瘍であることの論拠の一つとなろう。 4.頭蓋内原発及び睾丸原発胚細胞腫85例のPLAPに関する免疫組織化学的検索を行った。その結果PLAPの出現率は胚腫で92.3%,奇形腫で25.0%,胎児性癌で28.6%,卵黄嚢癌で8.3%,絨毛癌で75.0%であった。
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