研究概要 |
PLAP(placental alkaline phosphatase)頭蓋内原発germinonaにおける腫瘍マーカーとしての臨床応用を目的としてsandwich法によるELISA(enzymelinked emmunoabsorlent assay)を用いてPLAPの測定法を確立し, 頭蓋内原発germinamaの患者の血清, 髄液, 腫瘍嚢胞液中のPLAPの測定をするとともに, それらの値の治療経過に伴う変動について検討した. その結果以下の結論を得た. 1)本ELISAの測定下限界は0.11IV/l, wtthin-asswyのmeanCVは7.5%, between-assayのmeanCVは7.0%と測定感度, 再現性はともに良行であった. 2)PLAP測定に際し最も問題となる小腸ALDとの交差反応は検体を65°C, 20分間熱処理することによりほぼ消失させることが可能であった. 3)本ELASAを用いて測定した正常成人男性47例の血清PLAP最高値は0.29IV/l, クモ膜下出血患者20例の髄液PLAP最高値は<0.11IV/lであった. 妊娠女性の血清PLAP値はその妊娠月数とともに, 妊娠10ヶ月で平均188.3IV/lであった. 4)glioblastoma14例, astrooytoma18例, meningioma19例, meurinona13例, germinomo以外のgerm cell tumor4例の血清および髄液PLAP値は全て0.29IV/l以下であった. 5)germimoma患者の血清PLAP値は6例中5例で, 髄液PLAP値は5例中4例で, それぞれ0.52〜3.78IV/l, 0.83〜9.83IV/lと高値を示した. また, 採取可能であった2例の腫瘍嚢胞液ではPLAP値はそれぞれ603.0IV/l, 863.0IV/lと極めて高値であった. 6)germmoma患者の治療前高値であった体液PLAP値は照射療法によるCTseen上の腫瘍陰影縮小とともに全例低下し0.29IV/lとなった.
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