研究課題/領域番号 |
61570695
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
桑山 明夫 名古屋大学, 医学部, 講師 (70111846)
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研究分担者 |
長屋 敬 名古屋大学, 医学部, 医員 (80262913)
妹尾 久雄 名古屋大学, 環境医学研究所, 助教授 (40135380)
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キーワード | 下垂体腺腫 / クッシング病 / in situ hybridization法 |
研究概要 |
本年度は、1) ヒトACTH産生下垂体腺腫 (Cushing病) の発生由来に関するLambentsらの仮説についての検討と、2) Paraffin切片を用いたin situhybridization法についての検討を行った。 1) Lambentsによれば、クッシング病を示す下垂体腺腫は前葉型と中間葉型の2群に分類でき、その中間葉型では前葉型と比較して高プロラクチン血症が多いこと、ブロモクリプチンにより抑制を受けやすいことデキサメサゾンによる抑制が弱いこと等の差異が認められるという。今回、この仮説の是非につき検討した。症例は、1977年より1987年にかけて手術を行い腺腫の確認されたCushing病の151例で、その内のMicroaderoma125例について腺腫の存在部位により前葉型、中間葉型に分け、その間の血中ホルモン基礎値、ブロモクリプチン試験、デキサメサゾン抑制試験、手術成績の検討を行ったが、両群間に有意の差はなかった。次に、中間葉に特徴的とされるα-MSHの有無による2群の間で同様の検討を行ったが、有意の差は見られず、Lambertsの仮説が必ずしも正しくないことを示唆している。 2) in situh ybridization法は、従来、凍結切片を用いて行ってきたが、標本保存の煩雑さ、微小腺腫での標本収集の困難さ、制約等の問題があった。ここでは、10% formaldchydc固定のParaffin切片を用いた方法の検討を行った。まず、従来の凍結切片での方法にて行ったが、殆どmRNを示すsilven grainは観察されなかった。Hybridization効率を上げるための10% Dextran sulfateの使用と組織の酵素処理におけるProteiaseKの濃度を上げることにより僅かながらhybridizeしたsilver grainを認めることができた。しかしながら、凍結切片でのgrain数と比較して少ないものであった。10%form-aldehyde固定、Paraffin切片でのin situ hybridization法は可能であったが、検出感度の点で凍結切片に劣ると考えられた。
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