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1986 年度 実績報告書

髄液循環障害の頭蓋内圧・血行動態,脳代謝に及ぼす影響に関する実験的臨床的研究

研究課題

研究課題/領域番号 61570700
研究機関神戸大学

研究代表者

玉木 紀彦  神戸大, 医学部, 助教授 (10030941)

研究分担者 松本 悟  神戸大学, 医学部, 教授 (10030850)
キーワード髄液循環吸収障害 / 水頭症と臨床と実験 / 脳室周囲髄液浮腫 / 磁気共鳴画像 / 持続脳蓋内圧測定 / 脳血行動態
研究概要

臨床的研究:水頭症特に正常圧水頭症患者の脳室周囲組織への髄液移行が頭蓋内圧環境、脳血行動態、臨床症状の発現など種々の病態にどのように関与しているかを解明した。方法は正常圧水頭症と診断された患者の脳室周囲白質(以下白質)と前頭葉灰白質(以下灰白質)のCT値を計算した。又同部位のMRI上の【T_1】【T_2】値を計算した。髄液圧および循環動態の検討には、24時間持続頭蓋内圧測定とCTシステルノグラフィーを行った。脳血行動態の検討には、Dynamic CT、Xe133吸入法局所脳血流検査、ftable XeCT血流検査を行った。臨床的に正常圧水頭症と診断された症例で、シャント手術に反応した症例を真性正常圧水頭症、反応しなかった症例を偽性正常圧水頭症とした。結果と結論:正常圧水頭症では間欠的に髄液産生が吸収をうわまわり、それが圧波の発生源となり何らかの機序により間欠的圧波出現をきたし、脳室内から白質内に自由水の形で髄液が移行し、髄液浮腫を形成する。この浮腫が血管系に吸収され圧波の間欠期に入る。髄液浮腫のため一方では細胞の代謝障害を紹来し、他方白質内血管抵抗の増大さらに白質血行動態の障害をきたし、白質、皮質間血管吻合を介し灰白質血行動態さらに後頭蓋窩血行動態の障害を紹来し、これら頭蓋内血行障害と代謝障害は互に因果関係を有し最終的に神経機能障害を発現するに至る可能性が示唆された。実験的研究:猫の大槽内カオリン注入によって実験的水頭症を作製し、磁気共鳴画像法によって白質内髄液浮腫の病態生理を検討した。1週後には嗅脳室の拡大に続き嗅脳実質の髄液浮腫を生じた。側能室周囲白質の髄液浮腫は3週後に生じ、その時点では脳室内圧は低下していた。脳室内注入したMnは1週後水頭症猫で最も急速で顕著であり、3週後水頭症猫ではより軽度であった。非交通性水頭症猫では、1)脳室内髄液は嗅脳室から嗅球、鼻粘膜に吸収、2)側脳室周囲白質内髄液移行と吸収平衝期、3)白質内浮腫期が証明された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 長嶋達也: 小児の脳神経. 11. 233-238 (1986)

  • [文献書誌] Nagashima T.: Intracranial Pressure. 6. 441-445 (1986)

  • [文献書誌] Shirakuni.T.: Journal of Neurosurgery.

  • [文献書誌] 玉木紀彦: "脳・神経の救急(水頭症)" 中外医学社, 10 (1986)

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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