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1986 年度 実績報告書

脳内ADH(抗利尿ホルモン)と中枢神経機能-Caイオンとの相関を中心に-

研究課題

研究課題/領域番号 61570702
研究機関熊本大学

研究代表者

植村 正三郎  熊本大, 医学部, 講師 (00128258)

研究分担者 高田 明  熊本大学, 医学部附属病院, 助手 (10187966)
和田 伸一  熊本大学, 医学部附属病院, 講師 (30094056)
児玉 万典  熊本大学, 医学部, 助教授 (60040581)
松角 康彦  熊本大学, 医学部, 教授 (30037337)
キーワードカルモデュリン / カルシニュリン / ADH
研究概要

(1)髄液中ADHについて
(1)くも膜下出血,水頭症,脳腫瘍による頭蓋内圧亢進例で血液及び髄液を同時採取しADHを測定したところ、ともにADHの増加を認めた。髄液中のADH増加は、血中ADH同様、頭蓋内圧亢進や脳室拡大や脳血管攣縮による視床下部の刺激により視床下部のADH産生細胞においてADH産生が亢進することに由来するものと考えられた。
(2)血中のADH増加は血清浸透圧及び血清ナトリウムの低下をきたし、逆に髄液中ADHの増加は髄液浸透圧及び髄液中ナトリウムの上昇をもたらす。すなわち、血中及び髄液中のADH増加により血液と髄液間の浸透圧及びナトリウムの較差の増大を認めた。
(3)クモ膜下出血例において意識レベルと血中及び髄液中ADHの増加は平行関係にあり意識障害の強い例でADHはより増加していた。血中及び髄液中ADHの増加による血液及び髄液間の浸透圧較差の増大が脳浮腫の増悪をきたす可能性が示唆された。
【Ca^(2+)】-カルモデュリン系について
新鮮ラット脳より、カルモデュリン及び、その調節下にある脱リン酸化酵素であるカルシニュ-リンを精製し、その抗体を作製し得た。カルシニュ-リンは神経細胞に特異的に存在し、脳内では海馬,大脳基底核に著明に多く存在していた。また、酵素学的に微小管蛋白質を良好な基質とし得ること、そして免疫電顕上も微小管上に豊富に存在していることを確認した。このことは、微小管調節を介して軸索流等の神経機能に関与していることを示唆するものである。今後、カルモデュリンと共に、その視床下部神経機能における役割につき検討したい。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Satoshi Goto: Brain Research. 397. 161-172 (1986)

  • [文献書誌] Satoshi Goto: Acta Neuropathol.72. 150-156 (1986)

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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