研究課題/領域番号 |
61570703
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
高木 卓爾 名古屋市立大学, 医学部, 助教授 (70080075)
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研究分担者 |
唐 梃洲 名古屋市立大学, 医学部, 研究員
水野 志朗 名古屋市立大学, 医学部, 助手 (70190650)
永井 肇 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (00023747)
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キーワード | イヌ脳血管 / ヒスタミン受容体 / 脳血管攣縮 |
研究概要 |
イヌ脳血管のヒスタミン受容体(H_1、H_2)について薬理学的解析を行った。摘出ウシ脳底動脈を用いて、1×20mmのラ線状標本を作製し、37℃のkyebs-Ringer溶液(95%+5% CO_2)20mlを含むオルガンバス中に懸重し、ひずみ圧トランスデューサーに接続して等尺張力を記録した。ヒスタミンならびにH_1、H_2のagonist及びantagonistに対する脳血管の反応性を検討した。1)イヌ脳底動脈はヒスタミンと2-PEA(H_1 agonist)に対して用量依存性の収縮を示したが、Dimaprit(H_2 agonist)には反応しなかった。2)ヒスタミンによる用量収縮曲線はTripelennamine(H_1 antagonist)によって右方へ平行移動したのでcompetitiveな拮抗作用と考えられた。Tripelennamineの拮抗作用をSchild plotで解析すると、そのpA_2値は8.32、Slopeは0.94であった。3)Cinetidine(H_2 agonist)はヒスタミンによる用量収縮曲線に影響を及ぼさなかった。4)PGF_<2α>で脳血管を収縮させた後にヒスタミンやDimapritを投与しても弛緩反応は認められなかった。5)ヒスタミンの収縮反応はαあるいはβ拮抗薬の影響をうけなかったので、交感神経終末からのノルエピネフリン遊離によるものではなく、H_1受容体への直接作用と考えられた。 結論:一般にH_1が血管を収縮させ、H_2は弛緩させる。H_1とH_2の分布や密度は種属や臓器によって差が認められる。1)イヌ脳底動脈にはH_1受容体が密に存在し収縮反応を起す。2)イヌ脳底動脈にはH_2受容体が欠けているか、あるいは存在しても機能していないと考えられた。 今後、実験的クモ膜下出血を作製したイヌ脳底動脈におけるヒスタミン受容体の変化について検討する予定である。
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