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1986 年度 実績報告書

骨成長因子の精製およびその臨床応用

研究課題

研究課題/領域番号 61570708
研究機関北海道大学

研究代表者

増田 武志  北海道大学, 医学部, 講師 (20109424)

研究分担者 菅野 大己  北海道大学, 医学部附属病院, 助手 (40177770)
キーワード骨 / 成長因子 / ヒト / 非コラーゲン蛋白質 / 熱・酸に安定 / 分子量18K
研究概要

1.骨の成長因子の精製
材料としては股関節形成術の際に得られる大腿骨頭を用いた。10%EOTAで脱灰し蛋白質を抽出(粗抽出液)、アセトン処理をした後にBlue A Chromatography→Sephad GT 75 Gel Hltration→Mono Q Fast Protein Liquid Chromatography(FPLC)を用いて精製した。この最終精製物はSOS-PAGEでは単一のバンドで示され、その分子量は約18,000であった。また、その活性は粗出液に比べて約2,250倍に精製されていた。収量は5.6%であった。
2.精製された骨成長因子の安定性
熱(100℃,5分),酸(pH30),アルカリ(pH100),還元剤(DTT),変性剤(Urea,Gdn HCl),脱脂(Aceton,Butanol)のいずれの処理によっても細胞成長因子の活性は失われなかった。また、Collagenaseによっては失活しなかったが、Trypsin,Subtilislnにより活性は著しく低下した。以上のことから、本因子はかなり安定性のある非コラーゲン蛋白質と考えられる。
3.細胞成長因子(我々の抽出したもの)の細胞特異性
精製した成長因子は骨芽細胞のみならず、皮膚細胞,筋肉細胞に対しても[【^3H】]-TdRの取り込みを増大させ、この成長因子の細胞特異性は認められなかった。
(まとめ) ヒトの骨から骨芽細胞を増殖させる因子の精製に成功した。骨芽細胞(鶏胚の頭蓋骨より分離・培養したもの)の増殖を[【^3H】]-TdRの取り込みによって観察したが、精製した因子、その濃度によって増加し、約4ngの濃度で最大の活性を示した。この精製物の熱・酸・アルカリ・環元物等に対する安定性から、これまで報告されている成長因子とは異なることが推測される。 今後、本因子の特徴をさらに詳細に検討すると同時に、アミノ酸配列の決定に努力する必要がある。

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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