研究概要 |
1.骨移植の実験 同種骨移植は自家骨に比して骨の置換が遅延する。その機序として移植免疫と骨の保存・処理法の如何がある。今回は骨の保存法が骨形成に如何なる影響を与えるかの基礎的検討を行なった。即ち免疫反応を全く考虜せずにすむ自家骨に各種の保存処理を加え、自家移植を行ない、硬組識学的、X線学的に観察した。-80℃保存冷凍骨,凍結乾燥骨,脱脂骨,脱灰骨は新鮮自家骨に比して骨形成速度が遅延する。しかしこれら処理骨間では骨の置換に大きな差異はなかった。これからみると、新鮮自家骨は生きた造骨細胞や骨髄細胞の供給源となって骨新生にすぐれ、処理自家骨は生細胞がないため、自家骨といえども骨形成に劣る。骨形成の様式は骨伝導が主体のようである。今後は自家および同種骨について、微小血管造影を行ない、母床よりの血管進入の様式、速度を比較したい。 2.骨移植の臨床 主として骨腫瘍切除後に、自家骨、同種骨移植を行なった症例の臨床経過を調査中である。
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