研究概要 |
1.in vitroの系で遊離球状層(G-c), 束状層(F-c)細胞を用いて, α-hANPのsteroidogenesisに及ぼす影響を比較検討した. 遊離細胞を90分間のre-incubation後, 10^<-9>, 10^<-8>, 10^<-7>Mのある-hANPを添加し, 4時間のincubation後dium中のAldo.Comp.B, Cmp.,CGMPを測定した. G-cにおいてはAldo,Comp.Bは著明に抑制され, CAMPも有意に抑制された. しかしCOMPはdose dependentに明らかな促進が認められた. F-cにおいてはAldoは10^<-9>Mで抑制, 10^<-8>, 10^<-7>Mではdose dependentに著増した. CAMP, CGMPについてはG-cと同様の変動を示した. 特にCGMPについてはその増加程度は著しく, 10^<-7>Mでは基礎値の141倍まで増加した. このことはCGMPはANPのsecond messengerである可能性を強く示唆し, そのためにはかなりの量を必要とすると思われた. 2.エンドトキシン(Et)ショックときAldoの持続する分泌亢進は乏尿を来たし急性腎機能不全へと進展する可能性がある. α-hANPによるAldo分泌抑制作用は, 腎機能保持の面から生体にとって有益と考えられる. ニットのEtショックにおいてある-hANPの脳室内投与の有効性を内分泌の面より検討した. C群には生食15μl, α-hANP群には5μg/15μlのα-hAVPをそれぞさ投与した. 採決は基礎値として実験前日, 当日Et投与後20分, 生食あるいはL-hANP脳室内投与後20分, 40分, 60分の計5回とした. 血中ACTH, Comp.B, Aldo, irANP, CAMP, CGMP, NE, E, OAの各濃度を測定した. 血中irANP濃度はC群ではほとんど変化せず, α-hANP群ではα-hANP投与後20分で頂値を示す著明な上昇が認められ以後漸減した. 血中ACTH濃度はirANPが頂値を示した時点でC群に比しα-hAN群で著明に抑制された. しかし他のほるもん濃度は群間に差はなかった. 脳室内に投与されたα-Hanpの血中への移行は認められたが, Aldo抑制作用を引き起こす程の十分な量ではないと思われた. Etショックにおいて中枢生に投与さたα-hANPは血中ACTHを抑制したもののAldo抑制作用は認められなかった.
|