研究課題/領域番号 |
61570734
|
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
平沢 博之 千葉大, 医学部, 助教授 (80114320)
|
研究分担者 |
稲葉 英夫 千葉大学, 医学部附属病院, 助手 (60159952)
橘川 征夫 千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (20134398)
|
キーワード | 急性肝不全ラット / 細網内皮系(RES)貧食能 / Kupffer細胞活性 / オプソニン活性 / 肝血流量 |
研究概要 |
1.ラットにガラクトースアミンを投与することにより急性肝不全モデルを作製した。肝機能検査等より本モデルは臨床における急性肝不全の病態をある程度再現していることが確認された。同急性肝不全ラットにおいて細網内皮系(以下RES)貧食能を【I^(131)】リピッドエマルジョン法により測定したが急性肝不全ラットにおいてはRES貧食能は正常肝ラットを比較し、有意に低下していた。これらの結果は、急性肝不全の病態、例えばいわゆるextrahepatic manifestationの発症機序のひとつとして、RES貧食能低下があることを示唆するものである。 2.次にこれら急性肝不全ラットにおけるRES貧食能低下の機序を検討する目的で、RES貧食能に影響を与える因子、すなわちKupffer細胞活性(リバースライスバイオアッセイ法)、オプソニン量及び活性(免疫拡散法及びリバースライスバイオアッセイ法)、肝血流量(ガラクトース法)を測定検討した。その結果急性肝不全ラットにおいては、このいずれの因子も低下しており、これらの結果から、急性肝不全ラットにおけるRES貧食能低下には、上記の全ての因子の低下が関与していることが示唆された。 3.以上の結果より、急性肝不全ラットの病態のひとつとしてRES貧食能低下があり、この機能低下は、種々の機序を介して発生しているので、その治療的アプローチも多種多様の方法によらなければいけないとの結語を得た。次年度は、これらのことをふまえて、急性肝不全ラットにおけるRES貧食能低下に対する治療に関する研究を行う予定である。
|