研究課題/領域番号 |
61570742
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
弓削 孟文 広島大学, 医学部麻酔学教室, 助教授 (40034128)
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研究分担者 |
盛生 倫夫 広島大学, 医学部麻酔学教室, 教授 (80033950)
向田 圭子 広島大学, 医学部附属病院麻酔科, 助手 (20182066)
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キーワード | 手術疾患 / 多核白血球貧食殺菌能 / ritroblve Tetrazolivm(NBT)還元反応 |
研究概要 |
61年度、62年度において手術患者の多核白血球の貧食殺菌能をNitroblve Tetrazoliom環える応を用いて手術前後で検査した結果、1)肝硬変合併患者、2)糖尿病合併患者、3)腎不全合併患者、4)ステロイドホルモン、免疫抑制剤、制癌剤、抗精神薬の長期連用患者、5)低栄養状態(低蛋白血症)合併、6)高令手術患者、7)内分泌疾患(Cushing病等)合併患者、8)高度肥満患者、9)悪性腫瘍合併患者等において多核白血球貧食殺菌機能が低下していることが判明した。 2.これらの患者は、手術侵襲という外的ストレスが加わった際に生体の警告反応としてみられる多核白血球貧食殺菌能の亢進反応がみられず、多核白血球の外的刺激に対する反応閾値が上昇しており、いわゆる易感染性宿主(Compromised Host)となっていることが推定された。本年度実績として、これらの結果と考案を学会発表及び誌上発表すると同時に、多核白血球貧食殺菌能の低下及び外的刺激に対する反応閾値上昇が実際の術後感染発症とどの様に結びついているかについて、高令手術患者において検討した。 70才以上の高令手術患者を良性疾患3例、悪性疾患16例に分け術後の感染に起因すると思われる症状や兆候6項目((1)術後3日以上の発熱、(2)術後1週間以上の発熱、(3)白血球数が術後3日以内10000/cm^3以上、(4)白血球数が術前値にもどるのに1週間以上必要、(5)術後1カ月以内に感染(腹膜炎、肺炎、創感染等)をおこしたもの、(6)術後2カ月以上の死亡)に別けて検討を行い、成人群とそれぞれ比較検討した。 その結果、多核白血球貧食殺菌能の低下している高令者群、中でも悪性疾患群で圧倒的に上記感染症を呈した症例が多くみられ、多核白血球貧食殺菌能の低下と術後感染症発生率とは有意な相関がみられ、本研究で用いたNitroblve Tetrazoliom(NBT)還元反応試験が有用な検査であると考察した。
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