研究課題/領域番号 |
61570753
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
泌尿器科学
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
西沢 理 秋田大学, 医学部, 講師 (60091815)
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研究分担者 |
菅谷 公男 秋田大学, 医学部, 助手 (20179120)
能登 宏光 秋田大学, 医学部, 助手 (60164711)
宮形 滋 秋田大学, 医学部, 助手 (00157596)
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研究期間 (年度) |
1986 – 1988
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キーワード | 機能的電気刺激 / 青斑核α / 青斑下核 / 下部尿路機能 / Bladder |
研究概要 |
肛門括約筋電気刺激法の排尿動態パラメータに対する効果を除脳イヌを対象として検討した。その結果、各個体についてみると変化を示すことが多いが、全例に共通な一定のパターンは得られなかった。この成績は本法が、その刺激部位から考えても排尿を司る神経回路に直接的に働く手法でないことから、妥当なものと思われた。 橋排尿中枢の機能と局在について除脳イヌを対象として、電気刺激法を用いて検討を加えた。下部尿路機能を膀胱内圧、尿道括約筋電図測定法で検討できるように、下腹部正中切開を行い、膀胱頂部より2腔カテーテルを膀胱内に挿入し、一方の経路から内圧を測定し、他方からは生理的食塩水を注入できるようにした。2本のワイヤー電極を尿道壁内に刺入し、筋電図を導出した。続いて、体位を四足立位として頭部を脳固定装置に固定し、体幹は胸椎棘突起および腸骨で固定した。先端直径が5〜10umのwood合成封入微小ガラス電極を青斑核複合体を目標にして刺入し、膀胱容量を膀胱収縮が生じる直前の容量に設定して、微小電気刺激を加えて、膀胱収縮と尿道括約筋の抑制反応を伴う排尿が生じる部位を同定した。直流通電を行い、微小破壊巣を作製して、同定した刺激部位は青斑核αに相当した。橋排尿中枢の近くに存在するとされる括約筋活動を高める部位の機能と局在について、除脳イヌおよびネコを対象として、排尿中枢での検討とほぼ同様な方法で電気刺激法を用いて検討を加えた。電気刺激により、生理的食塩水の膀胱内注入に対して生じる膀胱収縮が抑制され、膀胱容量も増加した。直流通電による微小破壊巣は青斑下核を中心に認められた。橋には排尿中枢と蓄尿に関与する部位が存在し、蓄尿時には蓄尿に関与する部位が排尿中枢に抑制的に作用し、一方、排出時には排尿中枢が蓄尿に関与する部位に抑制的に作用して、排尿が生じることが示唆された。
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