研究概要 |
1)各種in vitro抗癌剤感受性試験の比較検討:colony formation assay(CFA)colony volume assay(CVA),【^3H】-thymidine incorporation assay(【^3H】-TICA)を同時に施行し得たヌードマウス可継代ヒト腎癌5株,マウス膀胱癌可継代株MBT683,ヒト腎癌8例,ヒト移行上皮癌3例の17腫瘍において各感受性試験の評価可能例の割合は、可継代腫瘍ではそれぞれ100%であり、感受性試験の種類による差は認められなかった。しかし、臨床材料を直接用いた場合の感受性試験評価可能例の割合は、CFA36.4%,CVA36.4%,【^3H】-TICA90.9%と【^3H】-TICAの感受性試験評価可能例の割合が高く、この方法の有用性が示唆された。2)各種in vitro抗癌剤感受性試験の結果の比較検討:CFA,CVA,【^3H】-TICAの3種による抗癌剤感受性の評価が可能であった可継代腫瘍6株,臨床材料4腫瘍において、32薬剤の抗癌剤感受性試験の結果を比較してみると、3種類の試験結果が一致した割合は87.5%であった。従って、いずれの方法を用いても得られる抗癌剤感受性試験の結果はほぼ同様であることが推測された。3)in vivoとin vitro抗癌剤感受性試験の比較検討:invitro抗癌剤において選択される感受性抗癌剤の数が少いこともあって、十分な結論を示すには致っていないが、in vitro抗癌剤感受性試験で感受性が認められななかった5薬剤はヌードマウス可継代腫瘍を用いたin vivo抗癌剤感受性試験においても感受性は認められなかった。4)腎癌に対するinterferonの腫瘍増殖直接抑制効果を12例の臨床材料を用いて検討した。その結果inter-feronに感受性を認める例(4例)と、抵抗性(8例)の例とが存在した。このうち臨床経過との関連を検討できた抵抗性の4例ではいずれもin vitroとin vivoとの効果が一致した。
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