研究概要 |
1)Invitro抗癌剤感受性試験方法の比較検討では, colony for mation assay.colony volume assay.〔^3H〕-thymidine incorporation assay〔^3H〕-TdR assdy)ともほぼ類似の結果を生ずることが明らかになった. さらに〔^3H〕-TdR assayを改良したminiat-urized〔^3H〕-TdR assayが〔^3H〕-TdR assayを比較すると使用細胞数がより少なく, したがって検討可能薬剤数がより多くなるという利点を有し, かつ得られた結果が互いに類似していたことにより, このminiaturized〔^3H〕-TdR assayの有用性が確認できた. 2)腎細胞癌に対する抗癌剤のvitro感受性試験を, 〔^3H〕-TdR assay,miniaturized〔^3H〕-TdR assdyを中心に施行し, 最終的に23例で抗癌剤の評価が可能であった. これら23例において65薬剤の効果を検討したが"感受性"(対照群に比し80%以上細胞増殖阻止)は4薬剤(6.2%)に認められたのみであった. 50%以上細胞増殖阻止を示した薬剤もその割合は18.4%と低く既存の抗癌剤の効果は乏しいことが判明した. 3)以上の結果を考慮し抗癌剤との型interferon(α-IFN)との併用効果を検討した. ACHN細胞(ヒト樹立腎細胞癌株)においてADM, VBLとα-IFNに相加効果以上の効果が認められた. そこで当科で新たに樹立したヒト腎細胞癌株(RCL-17, RCC-27)を用いてさらにこの併用の効果を検討した. RCC-17はα-IFNに感受性のない細胞であったが, UBL, MTXとの併用でそれぞれ相加効果あるいは相加効果以上の効果が認められた. 一方, RCC-27はα-IFNに比較的感受性のある細胞であったが, MTXとの併用で相加効果が認められた. 以上の結果は抗癌剤とα-IFNとの併用が腎細胞によってはそれぞれ単独よりも有効な場合が存在することを示唆し, 臨床的に応用し得る可能性が推測された.
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