研究課題/領域番号 |
61570770
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
白岩 康夫 福島医大, 医学部, 教授 (40045604)
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研究分担者 |
伊東 賢二 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (90168344)
小林 正人 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (20162018)
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キーワード | 脊髄誘発電位 / DSD / 硬膜外導出法 / 神経伝達物質 |
研究概要 |
1.脊髄誘発電位の特徴 仙髄以下が保存されている種々の患者で硬膜外カテーテル電極による脊髄誘発電位を測定したところ、陰茎背神経刺激時には【P_1】【N_1】【P_2】からなる特徴的波形を記録することができた。各成分波の潜時および振幅については、18例の患者から満足すべき値を決定することができた。排尿筋・括約筋協調不全(DSD)をもつ患者では、【P_1】波、【N_1】波の潜時、振巾は正常人と変りなかった。しかし【P_2】波はDSD以外の患者と比較し、減弱傾向はあるものの有意差を認めなかった。これについては今後、電極の接触度や薬剤投与に対する反応を主体とし、十分な検討を要する。 2.DSD発生に関与する神経伝達物質の検討 今年度はオピオイド受容体を中心に検討を重ねてきた。DSDをもつ患者の硬膜外腔にモルヒネを注入すると、排尿筋の収縮力は低下し最大膀胱容量は増加した。しかし外括約筋の活動はほとんど影響されなかった。またモルヒネは脊髄誘発電位のうち、【P_1】波と【N_1】波の方を抑制した。以上から、エンケファリンは神経伝達物質として、排尿筋収縮の方に強く作用するものと推測された。バクロクエンについては、次年度から検討する必要がある。
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