研究課題/領域番号 |
61570777
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
鈴木 重統 北海道大学, 大学併設短期大学部, 教授 (10001926)
|
研究分担者 |
一戸 喜兵衛 北海道大学, 医学部, 教授 (90073783)
松野 一彦 北海道大学, 医学部附属病院, 講師 (70102332)
坂本 亘 北海道大学, 歯学部, 助教授 (30001952)
|
キーワード | 仮死 / 血液凝固 / 線溶系 / キニン系 / 6Keto-【PGF_(1α)】 / IUGR |
研究概要 |
研究目的は、出生の周辺における頭蓋内出血の病態生理を血液凝固・線溶系ないしキニン系から検索することにより、周産期死亡率の減少の貢献に資するにある。 いっぽう、子宮・胎盤の血流循環の障害のためか、胎内発育遅延(Intrauterine Growthretardation,以下IUGR)を呈する児は、慢性のDICの状態あるとされ、これらの児の凝固亢進の本態が、凝固・線溶・キニン系あるいは血小板系のいずれに由来するものであるかは未解決である。 【方法】 【I】)凝固線溶系;(1)フィブリノーゲン(2)FDP(FDPLテスト)(2)′HPT(3)PTT (4)SFMC(Soluble Fibrin Monomer Complex)(5)ELT(6)第【XIII】因子 【II】)キニン系;(1)キニノーゲン(2)プレカリクレインの定量 【III】)血小板系;(1)血小板数(2)PF-4(血小板第4因子)(RIA)(3)β-TG(4)プロスタサイクリンは、6-Keto-【PGF_α】(以下6-Kete-【PGF_(1α)】) 【成績】 1)血液凝固・線溶系及びキニン系 a)ヘパプラスチンテスト(HPT)の増加率による検索ではIUGRは、対照の正常児に比して著明に低く、肝の成熟不全が明らかとなった。 b)仮死児におけるキニノーゲンは、正常児の2.4±1.3μg/mlに比較して1.5±0.8μg/mlと有意に減少し、キニン・カリクレイン系の変化が証明された。 2)血小板系 6-Keto-【PGF_(1α)】は、IUGRにおいては8.4±2.5ng/dlと正常児の26.8±5.6ng/dlと低く、生来のAT【II】の低さと相まって凝固亢進の状態を呈していると推論され、さらにこの状態に仮死(Asphyxia)および低酸素血症が加わるとアチドージスに移行し、DICのtriggerになると考えられた。
|