研究概要 |
SCE(sister chromatid excharge)を指標としたアルコール・タバコの染色体レベルDNAへの影響を検討するために, 以下の実験を行った. 昭和61年度に購入したIVAC700シリンジポンプを用い, C_3H/Heマウスの尾静脈より0.1ml/hour(50μg/g/hour)のBrdUを24時間連続投与した. 母獣の場合は大腿骨の骨髄を取り出し, 低張処理(0.075M Kcl)時間を15分〜20分と少々長くし, カルノア液で3回固定し染色体標本を作成した. 胎仔においては胎令12日以下の小さなものには全体を細切し, 13日以上の大きな胎仔に対しては主として肝臓を用いた. 胎仔においても母獣の骨髄と同様な手段で染色体標本を作成した. SCEはPerryをWalffのmodify methodにて染色した後で顕微鏡下で算出した. 62年度は主としてアルコールの濃度, 投与回数を変化させて検討した. コントロールの母獣のSCEについて〓SCE=280±0.14/cell(mean±SE), 胎仔はSCE=2.15±0.14/cell(range0-7)(n=87)であった. 25%アルコール投与群のSCEについては現在母獣のみ検討しているが 0.01ml2回投与=SCE=3.71±0.35(range1-8)(n=26) 0.01ml3回投与=SCE=3.81±0.33(range1-8)(n=21) 0.015ml1回投与=SCE=4・23±0.34(range1-8)(n=22) 0.15ml2回投与=SCE=4・55±0.39(range1-9)(n=24) 0.02ml1回投与=SCE=2.78±0.27(range0-6)(n=23) 0.02ml2回投与=SCE=4・55±0.34(range1-7)(n=25) の値が得られdose dependentな傾向が見られている. さらに胎仔についても検討中である.
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