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1988 年度 実績報告書

妊娠中毒症における胎児発育遅延の発症病態とその治療に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 61570788
研究機関三重大学

研究代表者

杉山 陽一  三重大学, 医学部, 教授 (30093131)

研究分担者 松本 隆史  国立津病院産婦人科, 医長
キーワード妊娠中毒症 / 食塩負荷高血圧自然発症ラット / Ca^<2+>拮抗剤 / アドレナリン受容体作動薬
研究概要

〔目的〕妊娠性高血圧症(PIH)の対策の一つに、Ca^<2+>拮抗剤の有用性が指摘されている。本研究は、Ca^<2+>拮抗剤nicardipine(NIC)が妊娠時の血管反応性にいかなる影響をおよぼすかについて、高血圧自然発症ラット(SHR)を用いて検討している。今回、これら高血圧モデル動物に食塩負荷実験を行い、その反応性の差異をみたので報告する。〔方法〕妊娠6日目より1%および1.5%食塩水を負荷したSHRとWister Kyoto(WKY)を使用して、非負荷群と比較した。妊娠20日目に胸部大動脈のらせん状標本を作成し、O_2供給下の37℃ Krebs液内で血管の等尺性張力を記録した。KCl(60mM)による脱分極の後、昇圧物質のnorepinephrine(NE、10^<-10>M〜10^<-5>M)の収縮反応に対するNIC(10^<-8>M〜10^<-6>M)の抑制効果をみた。〔成績〕食塩負荷SHR群では、非負荷群に比較して、高血圧の持続期間が延長することが特徴的であった。各摘出胸部大動脈のNEに対する収縮反応は、α受容体拮抗薬(phentolamine、10^<-5>M)で完全に阻害され、β受容体拮抗薬(propranolol、10^<-5>M)では変化がみられなかった。SHR群の60mMK^+に対するNEの最大収縮比は、1%負荷群で1.67、1.5%負荷群で1.80と亢進し、pD_2値(-logM)は非負荷群の8.53±0.17に対し、各々8.74±0.82、8.80±0.25と高値を示した。また、Ca^<2+>free液内では収縮反応の低下がみられた。一方、NICのNEに対する収縮の抑制はSHR群、WKY群とも濃度依存的であり、その効果は、SHR>WKY、食塩負荷群>非負荷群であった。〔結論〕食塩を負荷した妊娠SHR群における血管平滑筋収縮の亢進には、細胞外Ca^<2+>のmobilizationが考えられ、PIH時におけるCa^<2+>拮抗剤投与の合目的性を示唆するものであった。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] 松本隆史: 実験医学. Vol.4. 591-596 (1986)

  • [文献書誌] 松本隆史: 臨床医. Vol.12. 851-856 (1986)

  • [文献書誌] 松本隆史: 日本産科婦人科学会雑誌. Vol.39. 1784-1790 (1987)

  • [文献書誌] 松本隆史: 日本血液学会雑誌. Vol.51. 1218-1227 (1988)

  • [文献書誌] 松本隆史: 産婦血液. Vol.12. 35-40 (1988)

  • [文献書誌] 松本隆史: 産婦人科の世界. Vol.41. 23-27 (1989)

  • [文献書誌] 松本隆史: "動物成分利用集成 上巻 陸産動物篇" R&Dプランニング, 940 (1987)

  • [文献書誌] 松本隆史: "講座プロスタグランジン1 生殖生理" 東京化学同人, 326 (1988)

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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