研究概要 |
下垂体前葉のLH分泌機構及びdesensitizdtionの機序を解明する目的でbead付着ラット下垂体細胞を用いたcell colvmで潅流実験を行った. 〈方法〉下垂体遊離細胞をCytodex Ibeadを加えて培養後, カラムに重層し, 潅流液を0.13ml/minで流し, 添加薬剤はbypassより注入した. 〈成績〉(1)CΔ^<2+>ionophore,Forskolin,PMAやOAGで有意に高いLH分泌を認めた. (2)8-bromo-CAMPは30μM, 0.3mMでは反応しないが, 3mMで有意なLH分泌を認めた. (3)arachidonic acid(10^<-4>M)を投与すると, LHRH10^<-8>M投与に比べ減弱したLH分泌を認めた. このLH分泌はlipoxygenase inhibitorであるNDGAにより制抑された. (4)LHRH10^8Mを持続投与すると投与後15分で最高値となり, 3時間後には等前値に復するが, LHRH10^<-6>M, K^+(50mM), 8-bromo-CAMP(3mM)でovercomeが認められた. (5)PMA(1μM)やOAG(40μM)を持続投与しても投与30分後に最高値となり, 以後漸減して, 5〜6時間で投与前値のレベルに達した. この時点でLHRH10^<-8>Mを投与するとovercomeが認められた. 〈結論〉(1)LH分泌機構にA-kindse系, C-kindse系, およびCa^<2+>-Arachidonic acid系がそれぞれ関与しており, AAによるLH分泌にはlypoxygenase pathwayが関係していると考えられた. (2)C-kinase賦活剤によってもdesensitizationが起り, その機構はLHRHによるdesensitizationの場合とは相違がみられた.
|