研究概要 |
1 実験室の整備について 実験室内に2×3.5×2mのシールドルームの設営を行い、内部に実験機器の設置および調整を8月までに終了した。9月に入って、今回科研費によって購入できたノマルスキー装置付位相差顕微鏡が入荷したので、これをシールドルーム内防振台上に設置し、ガラス電極用三次元マニュピレーターを取り付けた。倒立位相差顕微鏡は定温装置を付けて、培養状態を保って実験観察できるように設営した。 2 視床下部の培養法について ウィスター系胎仔を帝王切開にて無菌的にとり出し、胎仔の脳をクリーンベンチ下で観察しながら、視床下部の50〜100μのスライス切片を作成し、maximow chamber内でPrimary cultureを行った。培養液はGey's BSS,Eagle氏液,馬血清,chick embryo,10%ブドウ糖をベースにしたものを使用し、95%【O_2】,5%【CO_2】で飽和してPH7.4に調整したものを使用したが、培養成功率は20〜30%と現時点では低く、技術的改善を要すると思われる。 3 視床下部組織培養の応用 61年11月以降、視床下部組織培養中の神経細胞を使用して、電気生理学的研究を開始している。7連の多連微小ガラス電極を作成し、各種カテコールアミン類,オピオイド類を注入して、神経細胞の細胞内電位と放電頻度の変化を記録解析してきている。現在までのデータは主としてエストロゲンのネガティブフィードバックに関与しているニューロンを対照にして解析をすすめている。
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