研究課題/領域番号 |
61570814
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
野田 起一郎 近大, 医学部, 教授 (60088531)
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研究分担者 |
山本 嘉一郎 近畿大学, 医学部, 講師 (00174780)
池田 正典 近畿大学, 医学部, 講師 (50113147)
手島 研作 近畿大学, 医学部, 助教授 (40101399)
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キーワード | 癌 / 抗がん剤感受性試験 / 化学療法 / フローサイトメトリー / human tumor clongenic assay |
研究概要 |
Percoll gradientによる密度勾配法を用いて対象細胞を収集してPI染色によりFCMで核DNA histogramの分析を行った。検討症例は子宮頚癌19例、子宮体癌10例、卵巣癌17例の計46例で27例(58.7%)にabnormal DNA stem lineを認めた。卵巣癌においては化学療法に対するresponseの全く認められなかったPD4例はすべてabnormal DNA stem lineを有した症例であった。一方normal DNA stem line類似のpatternを有していた9例中、化学療法に対する評価が可能であった症例は7例で5例が体腔液着効、2例がPRでありPD症例はなかった。また悪性腫瘍細胞の動態を詳細に検討するるため婦人科悪性腫瘍手術症例について術前にブロクスウリジン(BrdU)を5mg/kg 点滴静注し、手術摘出標本から腫瘍組織(1【cm^3】以上)を採取し、DNA-BrdU同時測定を行った。症例は卵巣癌2例、子宮体癌1例、子宮頚癌2例の計5例で、DNA-BrdU同時測定の結果からは、DNA合成を盛んに行っているfractionは1.91〜3.91%と極めて少なく、DNA量としてはS期と考えられても実際にはDNA合成を行っていない休止期(SQ期)にある細胞の存在が示唆された。 また抗がん剤感受性試験としてのHTCAの有用性の検討を行った。その結果コロニー形成能についてみると原発性卵巣癌では21例中18例((85.6%)で転移性卵巣癌においては5例中4例(80.0%)であった。またコロニー形成率は原発性卵巣癌で0.0018〜0.025、転移性卵巣癌で0.008〜0.0172であった。ムチン性嚢胞腺癌症例では腫瘍細胞をsingle cellとして回収できず検討可能症例はなかった。薬剤感受性試験を行うことがあった20例についてみると、predictive accuracy for sensitivityは100%、predictive accuracy for sensitivityは56.3%で感受性試験のoverall predictive accuracyは65.0%であった。しかし同一症例においても、原発性と転移巣の薬剤感受性に差異を認める症例が存在した。
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