1.高頻度頭部運動測定装置の作成従来のジャイロ・センサは中頻度域および一部の高頻度域をカバーできるが、長期間使用による性能の劣化および2〜3Hzを越える高頻度域の信頼性に問題があり、新しい頭部運動測定装置が必要であった。ジャイロ・センサの改良に種々の問題があり、研究途中で一度、光学的手法による記録に計画を変更した。しかし、記録は比較的容易であるが、期待した程の精度が得られないことが判明した。 以上の理由から、最終的には初めに予定した通りの高頻度頭部運動記録に適したジャイロ・センサを作成した。本装置は6〜7Hzまで安定した性能が保障され、従来の回転検査の上限である0.85Hzをはるかに超える高頻度域の前庭眼反射機能の検査が可能となった。 2.正常者および迷路障害者の記録 高頻度域頭部運動測定装置の完成により、現在正常者において種々の運動中の前庭眼反射および固視機能を精査している。正常者においても頭部回転中の固視はせいぜい2〜3Hzが上限であることが、以前からの研究で明らかにされている。今後、新しい装置を得て、高頻度域の前庭眼反射の性質を一層明らかにしてゆく予定である。
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