研究概要 |
1.イヌ摘出毛様体において、能動輸送の指標となる短絡電流を自動電圧固定装置を用いて測定した。その結果短絡電流に影響を与える神経ペプチドはVasoactive intestinal polypeptide(VIP),substance P(SP)であることがわかった。 VIPは摘出毛様体の後房側のチェンバーに投与することにより、短絡電流の陰性度が増加した。毛様体の実質側への投与では短絡電流に変化はみられなかった。SPを後房側へ投与すると短絡電流の陰性度は減少したが、毛様体実質側への投与ではVIPと同様に短絡電流に変化はみられなかった。 2.房水産生系へ影響を与える眼血流量の制御機構を調べるために、イヌ毛様動脈に分布する神経ペプチド含有神経を免疫組織化学的に検討した結果、SP,VIP,calcitonin gene related peptide,neuropeptide Y含有神経は毛様動脈壁の平滑筋層と血管外膜の間に分布することが凍結切片により確認され、伸展標本によって網目状に血管壁に分布することが確認された。しかしいずれの神経ペプチド含有神経線維も血管平滑筋層内に侵入している所見は認められなかった。これは他の部位の平滑筋と支配神経との関係と同様であった。
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