研究概要 |
1 ラット眼における免疫組織化学および組織化学の手技の確立 1) 正常ラット眼網膜内境界膜において, 蛍光抗体法を用いてラミニンを検出したが, フィブロネクチンは確認できなかった. 加令によりフィブロネクチンが出現する可能性があり, 検討中である. 2) 正常ラット眼において, プロテインA-コロイド金法を用いて光学顕微鏡および電子顕微鏡レベルで, 基底膜コラーゲン・フィブロネクチン・ラミニンの同定を行っているが, 必ずしも容易でない. 3) 正常ラット網膜内境界膜で, ヒアルロン酸・プロテオグリカンを電子顕微鏡下に把握するため, ルテニウム・レッド, アルシアン・ブルー, サフラニン, タンニン酸などの染色を行い, 検討中である. 2 加令ラットにおける網膜内境界膜の微細構造の変化 加令ラットを飼育し, 網膜内境界膜の微細構造の変化を電子顕微鏡下に追究し, 粗造になることを確認した. 免疫組織化学的手法を用いて基底膜コラーゲン・フィブロネクチン・ラミニンなどの分布の変化を追究する予定である. 3 加令ヒト眼球における網膜内境界膜の微細構造 摘出眼球および剖検時入手した眼球において, アルシアン・ブルー染色を施し, 網膜内境界膜を電子顕微鏡下に観察した. 加令により後極部内境界膜は肥厚し粗造となり, 網膜上膜のみられた眼球ではグリア細胞が内境界膜を穿破し, 内境界膜上に伸展する像がみられた. また周辺細胞では内境界膜が部分的に剥離, あるいは消失している像がみられた. さらに網膜上膜下では, 内境界膜中に異常な物質が蓄積していた.
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