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1986 年度 実績報告書

病的石灰化に関する電子顕微鏡的研究

研究課題

研究課題/領域番号 61570870
研究機関松本歯科大学

研究代表者

枝 重夫  松本歯大, 歯学部, 教授 (10064651)

研究分担者 長谷川 博雅  松本歯科大学, 口腔病理学教室, 講師 (60164828)
中村 千仁  松本歯科大学, 口腔病理学教室, 講師 (60131075)
川上 敏行  松本歯科大学, 口腔病理学教室, 助教授 (80104892)
キーワード病的石灰化 / 基質小胞 / ハイドロキシアパタイト / 酸性粘液多糖類
研究概要

病的石灰化に関する研究は、その材料収集が難しいことなどから極端に少ないが、我々研究グループは入手した本研究にふさわしい臨床材料を用いて、骨組織などで明らかにされている初期の石灰化と基質小胞の関係に注目しつつ検索を進めた。今回取り扱った各種病的石灰化物を多く含む臨床材料は本年度予算で講入したサンヨーMDF-109AT型超低温フリーザー内で凍結保存し、酵素活性の低下を防ぎながら研究を進行している。さて、今回の研究材料のうちcalcinosis universalisについては、石灰化物の形成基盤となった組織の詳細な検索により、病変部のフィブリノイド変性による細胞残渣などの膜性構造物が基質小胞的な働きをしていること、および石灰化物の主成分はハイドロキシアパタイトであることを確認した。また粘表皮癌の間質にみられた石灰化物の形成機構についても追究し、次の如く結論を得た。この間質には、小空胞状を呈する分泌顆粒ないし各種の細胞残渣様の膜性構造物が多数の球状石灰化物とともに認められた。以上の所見から、これら膜性構造物の少なくとも一部は、腫瘍性の異常な上皮性分泌の結果生じたものであり、石灰沈着の母体になっているものと思われた。なお、これらのうちあるものは、石灰化開始期の基質小胞と形態学的類似性を持っていたので、膜性構造物の一部は、周囲の基質の情況さえ整えば、基質小胞的な働きをして大きな石灰化物を形成するものと考えられた。さらに多形性腺腫および単形性腺腫の間質にみられた微小な石灰化物については、その基盤に酸性粘液多糖類が過量に存在することが明らかにされたが、石灰化の直接的な母体については現在までのところ明らかにされなかったので、この点を中心としてさらに検索を進めている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Kawakami,T.;Nakamura,C.;Hasegawa,H.;Eda,S.;Komatsu,M.;Furusawa,K;Akahane,S.: Jpn.J. Oral Bi.l.28. 217-222 (1986)

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公開日: 1988-11-10   更新日: 2016-04-21  

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