研究課題/領域番号 |
61570874
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
吉村 文信 北海道大学, 歯学部, 助手 (50001962)
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研究分担者 |
野田坂 佳伸 北海道大学, 歯学部, 技官 (30184005)
鈴木 由美子 北海道大学, 歯学部, 助手 (50154597)
谷 宏 北海道大学, 歯学部, 教授 (60013926)
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キーワード | 歯周病 / 病原因子 / Bacteroides gingivalis / 遺伝子のクローン化 / 嫌気性菌 / 線毛遺伝子:付着因子 |
研究概要 |
1.Bacteroides gingivalis(B.gingivalis)の保有する線毛(付着因子)の構造遺伝子を含むと考えられるDNA断片をプラスミッドにクローン化した。この部分のDNA配列から予想される蛋白質と実際の線毛蛋白質と比較した。その結果、クローン化したDNA断片は間違いなく線毛遺伝子を含み、線毛遺伝子の塩基配列が分析されたことを確かめた。2.クローン化されたDNA断片を使って細菌(B.gingivalis)の同定スクリーニングに応用するための基礎的検討を行った。数株の近縁細菌のDNAを抽出、精製し、サザン・ハイブリダイゼイション法によって研究した。この結果は、線毛遺伝子はB.gingivalisに特有な遺伝子であることを示唆した。更にB.gingivalisのある種の株は制限酵素によって生み出されるDNAの長さに変異があることがわかった。これらの結果は、独立した研究課題としてより広く、深く研究する意義のあることを示している。 3.線毛遺伝子を持ったプラスミッド・クローンが線毛蛋白質を産生(形質発現)しているか否かを検討した。ゲル電気泳動及び、イムノ・ブロット法を併用して検討したが、結果は否定的であった。 4.本菌の持つ病原因子の一つと考えられるプロテアーゼの遺伝子をクローン化するために2種類のプラスミッド・ライブラリーを活性を指標にして検索した。結果はすべて否定的であった。他の研究グループでクローン化に成功した様に学会報告が行なわれているが、我々の検討では線毛遺伝子の場合と同様にDNAのプローグを使う必要性を強く示唆している。
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