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1986 年度 実績報告書

破骨細胞の起源と形成のメカニズムに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 61570894
研究機関昭和大学

研究代表者

阿部 悦子  昭和大, 歯学部, 講師 (70119147)

研究分担者 田中 弘文  昭和大学, 歯学部生化学教室, 助手 (30146899)
宮浦 千里  昭和大学, 歯学部生化学教室, 助手 (20138382)
須田 立雄  昭和大学, 歯学部生化学教室, 教授 (90014034)
キーワード破骨細胞 / 骨吸収作用 / 肺胞マクロファージ / 増殖 / 分化 / DIF
研究概要

骨吸収の主役を演ずる破骨細胞(多核細胞)の起源については二通りの考えが提案されている。単球・マクロファージに分化する予定の未熟な骨髄細胞が起源であるとする考えとこれらの細胞とは全く異なる、破骨細胞だけに分化する細胞であるとする考えである。我々は前者の考えを示唆する報告を行ってきた。即ち、骨吸収活性を持つ活性型ビタミンD[【1α,25(OH)_2D_3】]がマウス骨髄性白血病細胞(M1)の分化を促進し、マウス肺胞マクロファージの融合を促進して多核細胞を形成するという報告である。また活性型ビタミンDと同様にM1細胞の分化を誘導する蛋白性因子(DIF)にも骨吸収活性のあること、更に単独では作用を示さないCSF(コロニー形成促進因子)をDIFと同時に添加すると骨吸収活性が亢進することも報告した。今回、DIFとCSFの作用について詳細に検討し、以下の結果を得た。(1)精製したCSFはマウス骨髄細胞の増殖・分化を促進するばかりでなく、マウス肺胞マクロファージの増殖を促進することが分った。しかし、マクロファージの融合促進因子である活性型ビタミンDをCSFと同時に添加すると増殖は抑制された。(2)DIFはM1細胞の分化誘導作用ばかりでなく、、WEH1-3細胞の分化誘導作用も促進することが分かった。(3)DIFをマウス骨髄細胞の培養系に添加すると9日以内に多核細胞の形成が観察された。(4)DIFの骨吸収促進作用並びに分化誘導作用は、脾細胞と骨芽細胞の培養濾液から精製したDIFに共通にみられた。
以上の点を総合すると、血液細胞の増殖・分化に促進的に仂く種々の因子(活性型ビタミンD、DIF、CSF)は骨吸収活性とin vitroで破骨細胞に非常に類似した多核細胞の形成を直接にあるいは間接的に促進することから、破骨細胞の起源はマクロファージのlinageに非常に近い細胞であろうと推察された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Etsuko Abe et.al.: Endocrinology. 121. (1987)

  • [文献書誌] Etsuko Abe et al: Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 83. 5958-5962 (1986)

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公開日: 1988-11-10   更新日: 2016-04-21  

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