研究課題/領域番号 |
61570900
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研究機関 | 神奈川歯科大学 |
研究代表者 |
川瀬 俊夫 神奈川歯大, 歯学部, 助教授 (30084784)
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研究分担者 |
中野 完 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (80164250)
今井 喜良 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (10151656)
西山 勝弘 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (20084783)
斎藤 滋 神奈川歯科大学, 歯学部, 教授 (80084713)
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キーワード | ヒト歯根膜線維細胞 / ヒト歯槽骨骨芽芽細胞 / アルカリフォスファターゼ / ビタミン【D_3】 |
研究概要 |
ヒト歯根膜線維芽細胞(HPLF)さらにヒト歯槽骨骨芽細胞(HABC)のin Vitroの細胞培養系は、歯周疾患病因の解析さらに咬合力の変化および矯正力等による歯周組織の改造現象の解析に有効な手段と考えられる。そこで、歯根膜の線維芽細胞は皮膚の線維芽細胞とは異なり、どの様な骨芽細胞的な特徴をもつかを明らかにすることを目的としている。ヒト歯根膜から線維芽細胞をoutgrowthにより培養系に移し、継代する。すなわち骨芽細胞のmarker enzymeであるアルカリフォスファターゼを指標として、継代できるヒト歯根膜線維芽細胞培養の確立を試みた。これらの細胞が骨芽細胞と同様に、石灰化調節ホルモンに対して応答するかどうかを検索した。 矯正治療時抜去によって得たヒト第1小臼歯から歯根膜を剥離し、一方、歯槽骨をcollaqenaseで処理しexplantのoutgrowthによってPrimary cellとして、HPLFおよびHABCを培養し、比較検討のためGin-1を用いた。さらに継代後1×【10^5】細胞に対してALPaseの性質について検討した。すなわち、8mM P-nitrophenylphosphateを基質としてkm値およびVmaxの測定、さらに熱安定性および阻害剤によるALPaseの活性変化を測定した。さらに、1.25【(OH)_2】【D_3】の効果について、ALPaseの活性測定を行った。 HPLF,HABCおよびGin-1のALPase活性は各々5.10±0.18,6.00±0.30および0.26±0.11unitsとなり、さらに熱処理および阻害剤の効果からHPLFはHABCと類似の性質を示した。また5×【10^9】M1.25【(OH)_2】【D_3】添加によるALPase活性上昇は5〜7日目の培養で最大となり、HPLFにおいて約7.5倍およびHABCにおいて約4.0倍であった。従ってヒト歯根膜線維芽細胞は明らかにヒト歯肉線維芽細胞と異なりosteo-blasticな応答をする細胞と考えられた。
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