研究分担者 |
伊東 隆三 福岡歯科大学, 歯学部, 助教授 (90122770)
鴨頭 和利 福岡歯科大学, 歯学部, 助手 (40148937)
西浦 利博 福岡歯科大学, 歯学部, 助手 (40140868)
石橋 一成 福岡歯科大学, 歯学部, 助手 (50122768)
日高 三郎 福岡歯科大学, 歯学部, 助教授 (00084252)
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研究概要 |
矯正装置(上顎切歯に拡大装置を装着)、下顎切歯切断および抜歯などの各種歯科処置術が自律神経系や感覚神経にどのような影響を与えるかを、顎,舌下腺の組織変化,核酸量,両環状ヌクレオチド量,サブスタンスP量,分泌機能,イソプロテレノール(IPR)の連続投与で出現する異常タンパク質の増減および顆粒管のプロテアーゼ活性の変化から検索した。自律や感覚神経系の遮断薬には、6-ヒドロキシドーパミン(6-OHD),フエノオキシベンザミン(Phenox),アトロピン(Atro)およびモルヒネ(Mor)を用いた。また、外来のSPの唾液腺に及ぼす影響も検討した。そして、現在までに以下の結論を得ている。1.矯正装置を装着すると、舌下腺は3日目から、顎下腺は1週間後から腫大する。この腫大は組織学的には腺房細胞の肥大であることがわかった。DNAやRNAの定量結果や組織化学所見から、過形成も生じていることがわかった。2.この顎、舌下腺の腫大はPhenoxで抑制された。しかし、6-OHDでは抑制されなかった。舌下腺ではAtroも抑制作用を示した。このことから、矯正装置は交感と副交感の両自律神経系を同時刺激していることがわかった。3.矯正装置を装着後の初期に顎、舌下腺のSP量が増量することがわかった。このことから、矯正装置は自律神経系の他にも、感覚神経系も刺激していることがわかった。4.交感神経の増強刺激条件下でSP量が減少することがわかった。しかし、AtroやMonはSP量に影響を与えなかった。外来のSPはcAMPやcGMPには影響を与えなかった。5.矯正装置を装着すると、IPRの連続投与や下顎切歯切断実験で出現する異常蛋白質成分が顎下腺内に出現した。この異常成分はPhenoxや6-OHDの併用で増量した。しかし現在解明中であるが、各種歯科処置術でそれぞれ異なる成分(複数を発見、現在4-5種類)が特徴的に出現する。7.プロテアーゼが活性は低下する。
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