研究課題/領域番号 |
61570905
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研究機関 | 福岡歯科大学 |
研究代表者 |
阿部 公生 福岡歯科大学, 歯学部 (70076016)
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研究分担者 |
西浦 利博 福岡歯科大学, 歯学部, 助手 (40140868)
石橋 一成 福岡歯科大学, 歯学部, 助手 (50122768)
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キーワード | サブスタンスP / 上顎拡大装置 / 神経支配除去 / BrdUの取り込み / 過形成 / 肥大 / イソプロテレノール / タンパク質合成 / EGF |
研究概要 |
上顎側方拡大力が幼若ラットの顎下腺および舌下腺にどのような影響を及ぼすかを、イソプロテレノール(IPR)の連続投与群および両者の併用群と、処置後7日間にわたって、比較検討し次の結論を得た。 1.矯正力、IPRの連続投与および両者の併用は顎下腺および舌下腺の両方を有意に腫大した。これらの腫大は併用群により顕著で相加的であった。この腫大には、RNAとDNA量の増加および主として腺房細胞へのBrdUの取り込み増加を伴っており、hypertrophyとhyperplasiaの両方が生じていることがわかった。 2.矯正力による顎下腺の腫大には主として上頚神経筋、鼓索神経および舌神経が、舌下腺では鼓索神経および舌神経がそれぞれ相互作用的に関与していた。 3.矯正装置装着初期の顎下腺の分泌機能は、IPRの連続投与群および併用群の場合と異なり、減退した。 4.主に腺房細胞に存在する異常タンパク質(LM)の合成は、矯正刺激と各種交感神経性ーRe遮断薬のメトプロロール、プラゾシンおよびICI118551(ICI)の併用により亢進した。ところが、IPR刺激で亢進したLMの合成は、メトプロロールにより顕著に抑制されたが、プラゾシンとICIでは抑制されなかった。なお、LMはIPR投与後6時間で唾液中に分泌された。 5.顎下腺および舌下腺のサブスタンスP(SP)量は矯正刺激により減少したが、顎下腺のSP量は鼓索神経切断により矯正刺激の有無にかかわらず有意に増加した。 6.顎下腺のEGF陽性物質は鼓索神経切断で増加したが、矯正刺激を加えることにより減少した。
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