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1986 年度 実績報告書

乳歯の疼痛閾値に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 61570970
研究機関新潟大学

研究代表者

田口 洋  新大, 歯学部, 助手 (70179597)

キーワード乳歯の疼痛閾値 / 永久歯の疼痛閾値 / 咬筋の抑制反射
研究概要

小児は齲蝕によって生じる痛みを訴える頻度が少なく、また痛みの期間も短い。成人と小児の永久歯の疼痛閾値を比較した研究で、小児の方が明らかに疼痛閾値の高いことが報告されているが、永久歯の結果だけでは、小児の齶蝕による痛みの発現が少ないことの説明として充分ではない。乳歯におけるこの種の研究はまだ行われていないので、本研究では乳歯の疼痛閾値について研究し、乳歯の疼痛閾値が永久歯のそれより低いかどうか、また乳歯疼痛閾値の増令的推移についても調べる目的で実験を行っている。
本年度は、歯根吸収のない乳歯の疼痛閾値と根完成永久歯の疼痛閾値との比較検討を行う目的で研究を行ってきた。低年令の小児は痛みを具現化することがきわめて難しいので、痛みの指標として、歯髄の電気刺激により生じる咬筋の抑制反射、自律神経反射ならびに心拍数の変化を考えた。このうち小児にも応用できる指標を検索するために、まず成人での実験を行い、次のような結果ならびに結論を得た。
1.歯髄の定電流電気刺激により生じる咬筋の抑制反射は、疼痛発現前に生じることを確認した。2.三叉-自律神経反射として現われる、手掌表面の電気低抗値の変化は、疼痛発現時にほぼ一致して生じることを確認した。3.心拍数の変化は、疼痛発現時とほぼ同時に生じることを確認した。4.以上のことから、疼痛発現前より変化の現われる咬筋の抑制反射を、疼痛の指標として用いれば、小児に不必要な不快感を与えることなく実験を行うことができると考えられた。
根完成永久歯の疼痛閾値については、ある程度の量的解析を行ったので、今後は歯根吸収のない乳歯の疼痛閾値について量的解析を行い、乳歯と永久歯の疼痛閾値の差を比較検討していく予定である。

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公開日: 1988-11-10   更新日: 2016-04-21  

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