研究概要 |
全国の保健所,市町村役場,市町村教育委員会に対し調査票を郵送し、歯科保健活動の実施日数,従事専門技術職員数等を調査した。また、歯科保健活動の実施場所で活動に要する時間を計測した。これらから、地域歯科保健活動に必要なマンパワー量の計測を行い、次の結果を得た。 地域歯科保健活動に従事する歯科医師,歯科衛生士,保健婦の全国推計延数は、1歳6か月児・3歳児歯科健康診査・保健指導では歯科医師81,000名、歯科衛生士69,000名、保健婦256,000名と、妊産婦歯科健康診査・保健指導では歯科医師10,000名、歯科衛生士11,000名、保健婦13,000名と、学校歯科健康診断では歯科医師300,000名、歯科衛生士150,000名と、歯科予防処置では歯科医師16,000名、歯科衛生士40,000名と、歯科衛生教育では歯科医師13,000名、歯科衛生士19,000名、保健婦42,000名と算出され、これらを合計すると歯科医師420,000名、歯科衛生士289,000名、保健婦311,000名となる。また、常勤の歯科医師・歯科衛生士のいる保健所あるいは市町村はわずかであり、歯科医師は地元歯科医師会からの派遣により、歯科衛生士は雇いあげあるいは担当歯科医の診療所からの派遣によって確保している。このため、地域から歯科医師,歯科衛生士とも1人平均年約10回従事している。 さらに、活動時間の計測結果を基にした1回1単位の対象人員は、1歳6か月児・3歳児あるいは妊産婦の歯科健健診査・保健指導では半日3時間として25〜30名以内、学校歯科健康診断では1日5時間として300名以内と算出される。歯科衛生教育についてはその実施方法により人数が異なり、ここでは人数を明らかにできない。また、今後は老人保健法に基づく歯科健康診査・保健指導が各地域で実施されると考えられるが、現在実施している地域の状況からは半日3時間として20〜25名以内と考えられる。
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