研究概要 |
1.我々は図1に示すようなヘテロテジールスアルダー反応が立体特異的に進行することを見い出した. この反応の応用として, 光学活性カンナビサチビンの全合成を行っている. 図2に示すように, 光学活性ジェンから1を合成することができたので, 2位の配置の反転, トシル基の光電子移動反応による脱保護を経て全合成を完成させる予定である. 2.トシルアミドの光電子移動によるが水分解反応の応用として, 今回トシル酸エステルの光加水分解反応の検討を行い, アルコール保護基としてのトシル基の有用性を明らかにした. 例えば, 1, 5-ジメトキシナフタレン存在下, 還元剤としてヒドラジンを用いて光照射すると脱トシル化されたアルコールが高収率で得られる. 又この反応機構は, 励起した電子供与体(ジメトキシナフタレン)からトシル酸エステル(電子受容体)への一電子移動により起ることを明らかにした.
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