研究概要 |
【和産澤瀉の基原植物(サジオモダカ塊根)の成分研究】6種の既知トリテルペノイド成分(alisol A,alisol B,25.deoxyalisol A,alisol A monoacetate,alisol B monoacetate,11-deoxyalisol B monoacetate)を単離同定するとともに, 未同定のトリテルペノイド5種, 新規セスキテルペン1種を得, これらの構造研究を進めている. 本成分研究はさらに続行中である. 【澤瀉の化学成分の定量法の確立】澤瀉の主トリテルペノイドであり活性成分と見なされているalisol A,alisol B,alisol A monoacetate,alisol B monoacetateならびにalisol C monoacetateの5種について, 高速液体クロマトグラフィーによる分離定量法を確立した. さらに, 本法を用いて和産をはじめ, 四川省, 福建省, 広東省, 広西省などの中国各地産ならびに台湾産, 韓国産の澤瀉について, これら5種の成分の分離定量を行なった. その結果, 産地によって, これらの成分の含量ならびに含量比が著しく異なる, すなわち化学的な意味での品質に著しい差がある, ことが判明した. 他の成分の分離定量法については現在検討中である. 【産地別澤瀉の薬理活性試験】産地により上記5種の成分の含量に著しい相違が見られたことから, ラットの高脂肪食誘発性肝障害に対する本生薬の抑制作用の効果を調べた. その結果, 成分含量が高い中国四川省産澤瀉は, 72%と高い抑制効果を示した. 一方, cholesterol値については, 四川省産がやや高い抑制効果を示したが, 有意差は乏しかった.
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