研究課題/領域番号 |
61571066
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
百瀬 和享 昭和大, 薬学部, 教授 (80004597)
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研究分担者 |
神島 智子 昭和大学, 薬学部, 助手 (70177575)
吉田 千恵子 昭和大学, 薬学部, 助手 (50166956)
丸山 郁夫 昭和大学, 薬学部, 助手 (20053994)
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キーワード | モルモット / 結腸紐 / 単離細胞 / 平滑筋 / Ca収縮 / cch収縮 |
研究概要 |
viabilityのある単離平滑筋細胞の簡便な調製法の確立をめざして次の検討を行なった。 1.平滑筋細胞を単離するには、従来より細胞を互いに結びつけているコラーゲン線維を市販のコラゲナーゼ標品を用いて酵素的に消化切断する方法が用いられている。しかし、コラゲナーゼ標品には種々の蛋白分解酵素が含まれており、Lotによりその含量が異なっていた。そのために、得られる細胞数は実験ごとのバラツキが大きく一定した得量は得られなかった。そこで、精製コラゲナーゼを使用し、蛋白分解酵素であるパパインを併用し、より高い得量で一定して細胞が得られる酵素処理条件を検討した。その結果、細胞の得量は従来の方法による場合の90倍に達し、viabilityは十分に維持されていた。しかも、アゴニストによる収縮反応性は従来の方法による場合の約30倍に増加した。 2.モルモット結腸紐から得た単離細胞の細胞内カルシウム(Ca)濃度の測定には、Ca蛍光指示薬fura2の導入は不可能であると言われている。我々は、この細胞の周囲にコリンエステラーゼ(chE)が存在し。適用したfura2/AMがchEによって細胞外で分解されるため細胞内に取り込まれないことを見出した。それゆえに、細胞をchE阻害剤であるDFPで処理することによりCa指示薬は能率良く細胞内に取り込まれ、結腸紐でも経時的に細胞内Ca濃度変化の測定が可能となった。現在、単離した平滑筋細胞の興奮時のCa動態を検討中である。 以上のことから、常に一定して、反応性の高い細胞を多数得られる新しい調製法、および細胞内Ca濃度測定法を確立することができた。今後、単離操作による細胞の損傷状況を検討する予定である。
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