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1986 年度 実績報告書

血液脳関門の透過性に対する副腎皮質ホルモン産生抑制物質の効果についての研究

研究課題

研究課題/領域番号 61571074
研究機関摂南大学

研究代表者

佐井 みどり  摂南大, 薬学部, 助手 (20170483)

研究分担者 野出 学  京都大学, 化学研究所, 助教授 (60027076)
キーワード延命草ジテルペノイド / Trichorabdal B / Trichorabdal C / 15ーHydroxyKaurene / 血液脳関門 / ラット / Corticosterone / クロバナヒキオコシ
研究概要

シソ科ヤマハツカ属植物の延命草には数種のジテルペノイド成分が含有され、著者らはこれらの化合物を単離しその構造を決定した。一方その生理活性については、抗腫瘍活性に加え、ラット副腎皮質遊離細胞からのCorticosterone産生抑制作用を有することが明らかとなった。この作用が生体内においても発現し、血中のCorticosterone量が減少すると血液脳関門の透過性が増大することが期待できる。これらの相関性を調べるために本年度は次の三点について研究を行なった。1.兵庫県ならびに京都府産の延命草乾燥葉のメタノールエキスをカラムクロマトグラフィーにより分離精製し、主成分TrichorabdalBおよびC(TーB,TーC)を約2g/kg単離した。またこれ以外のTrichorabdal A,DおよびLongikaurin類も併せて単離した。2.ラットにTーB30mg/kgを腹腔内投与し、血液脳関門の透過性変化を【^(125)I】標識ウシ血清アルブミンを用いて測定した。投与後24時間以内の効果については一定の傾向が認められず、1日後では予期に反して透過性減少の傾向を示した。この原因として血中Corticosterone量のストレス基因や日内リズムによる変動が考えられるので、実験条件をさらに均一化し他の化合物についても測定する。3.ラットの摘出副腎を森脇らの方法に従い遊離細胞とし培養実験に用いた。Corticosterone産生抑制作用をみるために必要な合成ACTHの細胞刺激濃度は、5〜10pg/mlであることがTーBおよびTーCを用いた実験より明らかとなった。この条件下においてTーBをはじめ抑制作用を有する化合物のID50は【10^(-6)】〜【10^(-5)】Mであった。これらの化合物における共通構造の5員環共役ケトンを有する基本化合物は15-0xokaureneである。これはスギの葉から大量に得られるEntー16ーKaureneの、二重結合を過塩素酸銀で異性化し、mークロロ過安息香酸によりエポキシ化し、ついで中性アルミナで開裂することにより得た15ーHydroxyKaureneをさらに酸化して得た。この15ーHydroxyKaureneはCorticosterone産生増強作用を示した。

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公開日: 1988-11-10   更新日: 2016-04-21  

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