研究課題/領域番号 |
61571075
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研究機関 | 神戸女子薬科大学 |
研究代表者 |
小林 正 神戸女子薬科大学, 薬学部, 教授 (40068325)
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研究分担者 |
津川 尚子 神戸女子薬科大学, 薬学部, 助手
竹内 敦子 神戸女子薬科大学, 薬学部, 助手 (80154970)
増田 園子 神戸女子薬科大学, 薬学部, 助手 (90157206)
岡野 登志夫 神戸女子薬科大学, 薬学部, 講師 (20131542)
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キーワード | ビタミンD / ビタミンD_2 / ビタミンD_3 / 25-ヒドロキシビタミンD / 24.25-ジヒドロキシビタミンD / 1.25-ジヒドロキシビタミンD / ビタミンD結合蛋白質 / リセプター定量法 |
研究概要 |
側鎖構造の異なるビタミンD_2とD_3系関連化合物の代謝と生理活性に関する比較研究を行い, 次のような成果を得た. 昭和61年度において、側鎖構造の異なる各種ビタミンD_2系及びD_3系関連化合物を合成し、ビタミンD結合蛋白質(DBP)並びにリセプタ-との結合を比較し、DBPとの結合性において、D_2系とD_3系とに差があることを明らかにした。その結果、ビタミンD_2系及びD_3系の関連化合物の血漿中濃度を競合的蛋白質結合法により定量する場合、それぞれの標品について検量線を作成し、これとの比較でなければ正確な定量値が得られないことを明らかにした。これらの基礎実験を基に、神戸大学医学部小児科との共同実験の下、授乳中の母親にビタミンD_2を1200IU/日、4週間連続経口投与した時の母親の血漿並びに母乳中のビタミンDD2_2系D_3系関連化合物の定量を行った。その結果、母乳中のビタミンD_2の濃度に有意の上昇が見られたこと、母親血漿の25+OH-D_2濃度は著しく上昇するのに対し、母乳中への反映はほとんどないことを明らかにし、母親へのビタミンD_2補給がより安全なビタミンD_2のみを上昇させ、過剰症の危険性の伴う、25-OH-Dや1.25-(OH)2<D_<2>濃度にはあまり影響を与えないことを明らかにした。このことは、母親へかなりの量のビタミンD_<2>補給を行っても、授乳中の乳児に対して安全であることを明らかにした。今後はビタミンD_<2>又はD2_<3>をラットに用量を変えて補給したときの、血漿濃度に及ぼす効果の研究を中心に、ビタミンD_<2>と<3>の間の腸管吸収、生理作用の差異があるかどうかなどを検討して行きたい。
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