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1986 年度 実績報告書

疼痛刺激下に出現する末梢性鎮痛活性物質の同定

研究課題

研究課題/領域番号 61571077
研究機関福山大学

研究代表者

塩見 浩人  福山大, 薬学部, 教授 (60025715)

研究分担者 中村 明弘  福山大学, 薬学部, 助手 (60166337)
キーワード内因性生理活性物質 / 疼痛制御物質 / 末梢性鎮痛物質 / 非オピオイド系 / ブラジキニン遊離抑制 / オピオイドペプチド遊離 / 疼痛負荷 / 皮下灌流
研究概要

末梢性疼痛制御物質の存在を想定し、ウサギの皮膚に対する侵害刺激下にクレブス液の皮下灌流を行ない検討した結果、この皮下灌流液中に遊離してくる物質の中に鎮痛活性を有する末知物質を見い出した。この鎮痛活性成分は、侵害刺激を負荷しない時には灌流液中に出現しなかった。侵害刺激負荷時に出現する鎮痛活性成分は、マウスでの熱板法、尾根部圧刺激法による鎮痛検定でいずれも陽性を示し、また、末梢投与でも側脳室投与でも有効であった。この活性成分の分離・精製に際しては、最も感度の良い、側脳室内投与・圧刺激法による鎮痛検定法を用い、各精製画分をスクリーニングした。灌流液を凍結乾燥することにより得た粉末を、脱塩をかねて、Bio-Gel P2カラムを用いて分離し9個の画分を得た。これらの画分のうち、分子量約500付近の画分に強力な鎮痛活性を認めた。この画分の薬理学的な検討を行ったところ、この画分の鎮痛作用は、モルヒネの特異的な拮抗薬であるナロキソンの前投与で消失せず、又、レセルピン,フェントラミン,メチセルジドの前処置でも、この画分の鎮痛作用が影響を受けなかったことから、この画分の鎮痛活性成分はオピオイド系のものでもなく、さらに、生体の疼痛抑制機構を担う、モノアミン系(NA,5-HT)にも関与しない、新しいタイプの内因性疼痛制御御物質であることを示唆している。この画分は、紫外部280nm及び、265nm,210nmにおいて吸収を持たず、ペプチド,核酸関連物質である可能性は薄い。現在、この画分のBio-Gel P2カラムによるリクロマトにより、さらに精製するとともに、薄層クロマトグラフ,高速液体クロマトグラフを用い、分離精製製を行ない、ほとんど単離の状態まで精製が進んでいるが、現時点では同定までには至っていない。今後、フォグマススペクトロメトリーを用いて、構造決定をするとともに、その薬理作用機序の解明を進めたい。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] H.Shiomi;A.Nakamura;Y.Tamura;M.Kobatake: European Journal of Pharmacology.

  • [文献書誌] H.Shiomi;A.Nakamura;Y.Tamura;M.Kobatake: European Journal of Pharmacology.

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公開日: 1988-11-10   更新日: 2016-04-21  

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