研究分担者 |
大野 眞理子 東京大学, 医学部(病), 医員
久田 哲哉 東京大学, 医学部(病), 助手
毛利 昌史 三井記念病院, 呼吸器科, 部長 (70090503)
大橋 靖雄 東京大学, 医学部(病), 講師 (00134461)
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研究概要 |
強制呼出時気管音及び咳嗽音の分析を行い, 臨床的有用性を検討した. 方法:信号の記録:1.強制呼出時の気速と気管音を同時記録し, データレコーダに保存した. 2.咳嗽音は外耳道に固定した小型マイクロホンにより記録した. トリガ及び遅延回路を組合せることにより, 被験者が咳をしている期間に限ってデータレコーダを作動させ, 音信号及び時刻信号を記録した. 信号の解析:1.記録された信号をA/D変換したのち時間軸上および周波数軸上の分析を行った. 2.長時間の咳嗽音記録の解析にあたっては, エンベロープデテクターを用いた. 結果及び考案:気管音と気速の同時記録データの解析により, 気流速度の減弱に伴い線スベクトルが出現し, しかもその周波数がFEVmaxと相関することが確認され, 気道内に発生する渦がその原因であることが示唆された. 咳嗽音は, 高振幅, 短い持続時間, 1ないし数個の線スペクトルにより特徴付けられることが判明した. エンベロープデテクタの利用により, 長時間咳嗽音データ記録を能率良く解析することが可能であった. その解析により得られた咳嗽の重症度は臨床症状と良く相関した. 気管音と咳嗽音の両者に出現する線スペクトルの性質は, これらの音の発生機械序および呼吸機能検査としての意義と密接な関係を有するものと考えられた.
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