1)GDMP活性の指標としての簡便な方法の開発 GDMP;glucocorticoid-dependent myelopotentiatorはマウス骨髄細胞を用いて、コロニー刺激因子(CSF)によるコロニー形成系で、ハイドロコーチゾン(HCS)共存下で、顆粒球コロニー形成を増強する活性として捉えてきた。最近、骨髄性白血病細胞株【M_1】細胞の分化をHCS共存下で促進することが判った。そこで、【M_1】細胞を用いてGDMP活性の簡便な定量法を検討した。その結果、トリチウム・チミジンのとり込みでみた【M_1】細胞の増殖を、GDMPがHCSの共存下で定量的に抑制することがわかった。そして培養細胞数、培養日数等の至適量について基礎的検討を行った。現在、活性単位の表現方法を検討している。 2)GDMPの部分精製 P338【D_1】細胞のLPS刺激後の培養上清を、高速液体クロマト(FPLC)のゲル房過カラム(Superose 12)、さらに陰イオン交換カラム(Mono Q)で精製し、部分精製標品を大量に得た。これら精製段階で、コロニー形成法と、上記【M_1】細胞を用いた定量法を指標として活性を調べたところ、両活性とも同一画分にみい出した。現在、疎水性クロマトを用いて精製中で、今は特にその条件設定を検討している。 3)GDMPの標的細胞 これまで、骨髄細胞中のGDMPの標的細胞が、沈降速度5.1mm/hr付近にあることを、粗GDMP標品を用いて明らかにしたが、上記部分精製標品を用いて同様の実験を行なったところ、上記の結果を確認した。この画分を細胞凍結装置で凍結保存し、随時、融解し、使用し、作用機序の研究に用いることができるかを検討中である。
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