研究課題/領域番号 |
61571126
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研究機関 | 宮崎医科大学 |
研究代表者 |
大堂 庄三 宮崎医科大学, 医学部, 助教授 (90041409)
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研究分担者 |
園田 徹 宮崎医科大学, 医学部附属病院, 助手 (70187897)
政所 治道 宮崎医科大学, 医学部附属病院, 助手 (70157395)
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キーワード | 早期小児自閉症 / 精神遅滞 / 遺伝子病 / 脆弱X染色体 |
研究概要 |
対象と方法:対象は宮崎医科大学で経過観察している早期小児自閉症患者のなかの男子21例(研究期間3年間の合計対象数は男子101名、女子12名の合計113例)である。早期小児自閉症の診断はDSM-IIIの診断基準に従った。明らかな疾患に伴う早期小児自閉症患児は対象から除外している。 染色体分析はMEMより葉酸を除去した培養液(MEM-FA、ニッスイ)5mlでリンパ球を96時間培養したもので行った。牛胎児血清を5%の濃度で加えた。標本作製24時間前にINNaOHでPHを7.6に調整し、75分前にコルセミド0.1μgで処理した。標本作製後、4%ギムザ染色体で4分間染色し、最低100個の細胞を分析した。fra(X)と思われる染色体がみられた標本は、70%エタノールで脱色した後、Gバンド法によってX染色体であることを確認し、deArceらの診断基準に従い2個以上の細胞にfra(X)を認めたときのみ脆弱X症候群と診断した。 結果と考察:今年度の21例の男子のうち1例(4.8%)に脆弱X症候群を見出した。3年間の集計で計算すると、検査した全症例(男子101例女子12例)の113例のうちの3例(2.7%)に脆弱X症候群が見出されたことになる。これらの頻度を早期小児自閉症の男子例(101例)のみについて算出すると3%となる。 早期小児自閉症患者中の脆弱X症候群の過去に報告された頻度は、0〜16%の間にあるが、数値が両側に片寄ったものは、調査例数かいずれも少い。私達の成績における頻度は欧米における頻度より有意に低かったが、診断基準の問題、対象の大きさ、年齢分布、染色体検査の方法と回数、その他の要因が関与するので、今後これらの要因も考慮した比較検討が必要である。
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