研究課題/領域番号 |
61580001
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
畠山 力三 東北大, 工学部, 助教授 (00108474)
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研究分担者 |
津島 晴 東北大学, 工学部, 助手 (90171991)
三重野 哲 東北大学, 工学部, 助手 (50173993)
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キーワード | イオンサイクロトロン周波数帯 / 高周波電磁界 / プラズマ形態変化 |
研究概要 |
高周波電磁界とプラズマの相互作用によるプラズマ形態変化を、アンテナ近傍プラズマの非線形応答とプラズマ輸送の関連性の解明を目標として、イオンサイクロトロン周波数帯の波動電磁界を用いて実験的に調べた。 1.一様直線磁場中のQマシーンプラズマに軸対称マルチターンアンテナにより、イオンサイクロトロン周波数(【ω_(ci)】)帯の大振幅電磁界変動(周波数W)を印加すると、ω/【ω_(ci)】が1近傍で波動がアンテナからプラズマ内部へ浸透・伝搬し、プラズマ中心に波動が集中しそこでは定在波的になっている。 2.このとき、アンテナファラディシールドの直流電位(【V_(AF)】)を浮遊電位に保つとそれは印加高周波電磁界を増大するにつれますます負電位になり、アンテナ近傍プラズマの密度が大きく減少しプラズマ損失を併う形態変化が観測された。これは、アンテナファラデイシールドが担う壁・プラズマ非線形相互作用により、アンテナ近傍の井戸型静電電位分布が平担化されたことに起因すると考えられる。また、2つの現象には周波数(ω/【ω_(ci)】)依存性がない。3.ファラデイシールドを接地(【V_(AF)】=OV=真空容器の電位)したときには、上記現象とは反対に0.9【<!〜】ω/【ω_(ci)】【<!〜】1.2の範囲内でのみアンテナ直下のプラズマは、中心密度が著しく上昇しているピーク分布へと形態変化し、これがアンテナから磁力線方向に遠ざかるにつれ緩和していくことが観測された。この密度上昇を併う形態変化とともに、磁力線に垂直方向のイオンエネルギー分布関数は高エネルギー成分を有していることと、アンテナ近傍の静電電位分布がさらに深い井戸型に変化していることなどが、測定の結果判った。これらの事実から、イオン加熱に併う半径方向のイオン輸送による静電電位分布の変化と大振幅プラズマ波動の非線形力の相乗効果によるプラズマ形態変化が発生したものと予想し、さらに詳細な実験を行うべく計画をたてている。
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