研究課題/領域番号 |
61580013
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研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
長尾 重夫 中部大, 工学部, 教授 (40005145)
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研究分担者 |
池沢 俊治郎 中部大学, 工学部, 教授 (60065282)
勝守 寛 中部大学, 工学部, 教授 (90065269)
宮島 さ介 中部大学, 工学部, 助教授 (80029173)
阿部 芳彦 名古屋大学, プラズマ研究所, 助教授 (00005472)
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キーワード | 核融合 / プラズマ / トルサトロン / 楕円率 / 磁気面 / 高ベータトーラス |
研究概要 |
直線状のらせんを軸とする近似的ではあるが、完全ならせん対稱性をもつらせん軸トーラスのグラッド・シャフラノフ方程式を解き、軸からの距離のべき展開で6乗までの解析解を求めた。これによって楕円率ε、三角率Q,プラズマの圧力分布,プラズマ電流密度分布などの特性パラメータを与えたときの磁気面を簡単に描くことが出来るようになった。これを用いて、右巻きと左巻きの場合の磁気面を比較し、次のことが明らかになった。a)プラズマの圧力(ベータ値)によって、ε及Qは右巻きの場合は減少するが、左巻きの場合は増加する。即ちいづれの場合も磁気面は円形に近ずくことになり、従って軸近傍の回転変換は減少するので、平面軸ステラレータやヘリァックのようなシャーがOになるような危険はない。b)プラズマ圧力による磁気軸のシフトは右巻きの場合も左巻きの場合も同程度であり、従ってベータ値の上限もほぼ同じと考えてよい。 次に、上述の解で得られたプラズマ電流の双極子成分の物理的な意味が明白になった。即ちこの双極子電流は、プラズマの圧力によりトーラス大半径が増加される所謂フープ力と釣合うものであり、その値は凡そ6.25×【10^5】a〈β〉Bo/L[A](a:プラズマ半径.L:回転変換)で与えられる。この電流はプラズマの平衡に必要なもので、実験的に檢証出来る量として重要であるのみならず、平面軸ステラレータやトカマクにも適用出来る一般的な関係式である。(特にトカマクにおいては、従来からプラズマ圧力によるフープ力は重直磁場による力と釣合うものと考えられていたので、多くの問題と関係している。)トーラス一般の高ベータ化に有効な知見といえよう。 3次元の左巻き磁気面については 平面軸ステラレータの2.3の場合について得られたので、らせん軸へ発展させつつ研究を進めている。
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