本研究の目的は、対象を通信ソフトウェアにしぼり、その自動形成システムを開発し、具体的に試作することである。そのため、まず自動形成システムの核となる知的な開発支援システムを構成する。次に、この開発支援システムを用いて実際の通信ソフトウェアを設計する。最後に、これらの実証実験を繰返すことによりマンマシンインターフェースなどの改良をはかり通信ソフトウェアの自動形成システムを構成し試作する。 61年度では、通信ソフトウェアの自動形成システムの核となる知的支援システムを中心に特に次の2点に重点を置き諸研究を推進した。 (1)知的開発支援システムの構成、(2)(1)の構成要素の設計 (1)については、通信ソフトウェアのライフサイクルに注目し、要求仕様記述からプログラミング、保守まで円滑に開発するために、知識工学的手法を用いてユーザ・フレンドリイ・インターフェースの高い知的な開発支援システムを構成した。特に、要求仕様記述が与えられた時、不足情報をユーザから獲得しながら自動的にプログラムを生成する機構を設計した。 (2)では、(1)の核となる構成要素である通信ソフトウェア向き(a)仕様記述言語、(b)高級プログラミング言語、(C)検証法を新しく開発し、また、(d)(a)のエディタ、及び(e)(a)から(b)への変換アルゴリズムを設計した。 次年度では、今年度設計した前述の(1)と(2)をグラフィックシステムUNIBOX(SORD製)を用いて試作し、本設計法の有効性を実証する。
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