研究課題/領域番号 |
61580044
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研究機関 | 国立精神・神経センター |
研究代表者 |
菊池 建機 国立精神神経センター, 神経研究所・モデル動物開発部 (80005628)
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研究分担者 |
田口 文広 国立精神神経センター, 神経研究所・モデル動物開発部, 室長 (30107429)
花岡 和則 国立精神神経センター, 神経研究所・モデル動物開発部, 室長 (40189577)
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キーワード | 筋ジストロフィー / 鶏(ニワトリ) / 矮性化 / 甲状腺ホルモン / 筋蛋白質 |
研究概要 |
10週齢矮性鶏においてam遺伝子をホモ(am/am)、またはヘテロ(am/t)に導入して浅胸筋の収縮蛋白、特にトロポミオシンの質的変化に焦点をあてて解析した。 正常矮性鶏の筋蛋白はニューハンプシャー種正常鶏での結果とよく一致する。ミオシン軽鎖は速筋タイプのfLC-1、fLC-2、fLC-3の3種より成り、トロポニンCも速筋タイプである。トロポミオシンは殆どα鎖から成る。一方、筋ジス矮性鶏筋のトロポミオシンはα鎖に加えてβ鎖のスポットが認められ、デスミンのスポットも出現する。 am遺伝子をヘテロに持ち、かつdw遺伝子がホモ化した矮性鶏では、トロポミオシンα鎖に加えて、僅かではあるがβ鎖が出現する。このヘテロ鶏でのトロポミオシンβ鎖の合成の状態を、dw遺伝子をホモにもつ小型な雄固体(am/t、Z^<dw>Z^<dw>_1)と、dw遺伝子をヘテロにもつ大型の雄固体(am/t、Z^<dw>2^+)の間で比較した。dw遺伝子をヘテロにもつ大型の固体の浅胸筋線維にはトロポミオシンβ鎖は出現しない。したがって、dw遺伝子の変更遺伝子としての作用はヘテロ接合体の場合は十分に発揮されない。一方、dw遺伝子をホモにもつ小型固体は、強い変更遺伝子として作用し、野生型対立遺伝子によって抑制されていたdw遺伝子を強調し、僅かではあるがトロポミオシンβ鎖を合成する。このβ鎖のスポットは10、16週齢で観察されるが、充分に成熟した1年鶏では消失する。
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