研究概要 |
樹枝状結晶は, 物質の3次元拡散によって律速される時に成長する事が多い. 従って, 樹枝状氷晶の諸特性を研究する事は, 樹枝状氷晶の周りの拡散場を理解するのに役立つ. 本年度は, -15℃で成長した樹枝状氷晶の主枝の先端の成長速度の過飽和度, 先端の曲率, 先端の厚み依存性を測定した. また, 主枝の先端の成長速度と側枝の間隔の間の関係も測定した. それによると, 主枝の先端の成長速度は, (1)過飽和度の増加と共に増加する. (2)先端の曲率の増加と共に増加する. (3)先端の厚みの減少と共に増加する. (4)主枝の先端の成長速度が増加すると, 側枝の間隔が大きくなる事がわかった. 従って, 主枝の先端の成長速度が増加すると, 先端での水蒸気密度勾配が大きくなり, 樹枝状氷晶の側枝が出にくくなって, 氷晶は星型に成長する事がわかった.
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