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1988 年度 実績報告書

クラウジウスのエントロピー概念の成立過程

研究課題

研究課題/領域番号 61580086
研究機関東洋大学

研究代表者

八木 江里  東洋大学, 工学部, 教授 (80057984)

キーワードクラウジウスのエントロピー / 熱力学第2法則 / 不可逆過程の背後の現象論 / 保存力と非保存力の認識と熱理論
研究概要

最終年度であるので、今までに収集、入力、印刷してきたクラウジウスの熱理論についての第1論文(1850)に始まる方程式を熱理論、気体論、電気理論について分析した。これらの分析によって以下のことが明らかになった。
1.R.Clansing(1822〜88)は物理量について数学的関数関係を求めようとする傾向が強い。
2.この背景としては彼の論文集の"数学的導入部"等がある。
3.彼の熱理論の背後には"力学的仕事"についての認識がある。すなわち仕事には道すじによらないものと、道すじによるものとが存在する。
4.クラウジウスのエントロピーdsは、最初は可逆過程の完全微分量とこてduに対応するものとして提出された。
5.クラウジウスは不可逆過程の存在を補償されない変換の存在として最初に認識(1854)し、のちに不等式S(ds)/T≦0で示した。
6.1865年に、不可逆過程のエントロピーの増加がN=S-S_0-S(ds)/Tで示された。しかしこれ以上の展開はなかった。
7.彼はやがて1866年には、可逆過程のみの理論に問題を限定している。
8.同上の傾向は、当時の一般的な可逆的な物理学観と密接な関係があろう。
9.とはいえ、クラウジウスが不可逆過程の理論を創造したのである。
10.何故それが可能であったかといえば、クラウジウスが熱の現象論"熱は高温から低温に(のみ)流れる"への理解と、"道すじによる仕事の存在"へ認識をもっていたからであると結論できる。(2/25189)

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 八木江里: エントロピー. No.13. 7-11 (1988)

  • [文献書誌] Eri YAGI: Abst、18th Int.Congress of History of Science 1st-9th Augnet、1989、Hamfur g-Mnnich Feder al Republic C-of Germany. 1989.

  • [文献書誌] 八木江里: 日本物理学会年会、物理学史分科会、予稿. 1989年3月31日(於東海大学平塚). (1989)

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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