光の伝播論、熱理論、気体論、電気理論についてR.Clamsins (1822-88) の論文 (1847-71) を過去3年間にわたって分析してきた。その手法は、歴史的分析に加えて、コンピュータによる方程式の入力と印刷による分析である。成果を要約すると: 1.クラウジウスのエントロピー ┣do/T┫ は、関数的考察により、可逆過程についてdVに対応する実全微分として導入された。 2.クラウジウスが物理量について、関数の関係式を求めようとする立場は熱理論を含むすべての分野でみられる。 3.不可逆過程についてのエントロピーの不等号性は1854年に補償されない変換として認識され、彼の熱現象の認識と密接に関係している。すなわち 「熱は高温から低温に流れる」 ということ。 4.クラウジウスの不可逆過程への理解は、力学的知識 「仕事が道すでに依存する場合は、最初と最後の状態だけでは決まらない」 に支えられている。 5.クラジウスは不可逆過程の創設者であるにもかかわらず、当時の19Cの"可逆的物理学観" (力学的世界條) の影響からのがれられなかった。これは1866年にはすでに彼が可逆過程のみに問題を限定していることからも指摘される。 6.クラウジウスは熱理論の第1論文 (1850) で微小カルノー・サイクルを用いて (第1次の項を消去し、第2次の微小量のみ巧みに生かすような計算法を用いている。 7.上の数学的手法の起源は彼自身の1849年の光の播伝論の中ですでに表わされている。 (さらに追求して行くと) 8.この手法はJ.フーリエにある2/26/89
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